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樽󠄀冨かまたのこと

江戸時代中期から桶樽業を操業していたとされる鎌田家ですが、現存する文献に登場するのは弘化三年(1846)です。日本海に面する能代は過去に多くの大火があり、文献の多くも焼失してしまいました。樽冨かまたの前身は能代で最も古い桶屋として知られる鎌田長十郎が率いた「鎌長」です。大正期に入ると次第にカンやビンが普及し始め、桶の需要は低迷し、九代当主・鎌田冨治は樽に用いる木材を加工する樽丸屋へと舵を切り、これが成功しました。十一代当主・鎌田勇平は冨治への尊敬の念を込めて屋号を「樽󠄀冨かまた」へと変えるとともに、「土間から食卓へ」というテーマを掲げ、恐れることなく変化を起こしてきました。「時代に合ったものづくりで受け継いでいく」という先代の言葉を胸に、健やかな暮らしの道具を皆様に届けて参ります。

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